小説・文芸

君の膵臓をたべたい【ヒント発見士ぴーちくぱーちく】いま、ここを意識し選択していく

選択する


帰宅途中、電車の中で久しぶりに本書を読んだ。両目に強制的に水分補給をされた。厳密に言えば、水分と少々の塩分。それらが体内から体外で放出された。

冒頭から物語の結末は分かってしまう。だけれども、事象としての「結末」と私の中で最初と、読み終えた後の「結末」、感じたことは大きく異なっていた。

感情移入とは違う、自分の中に侵入される感覚。外部から強制的に揺さぶられたのか、何かの媒介を通して、体内に進入し化学反応を起こさせられたのか。どちらか分からないし、どちらともかもしれないし、そのどちらでもいいのだけれども。

良い作品の特徴としては、読者に考えさせる。そして、何か一つでも、明日からの行動に変化を起こさせる「何か」があるもの。それを良い作品と私は捉えている。

それを継続するのかまでは本人次第だしそこまでは分からない。

本書は私にとって「良い」作品だった。

大切な人、もの、ことを更に大切にする。感謝する。自分の世界を創るし、他者との関わりを持つ。「ありがとう」を想うし、時々発信しようと思うしそうする。

このように書くと、感動を誘発させる作品と想像できる。それもあるけど、軽妙な会話と登場人物の思考、言葉のチョイス。私はこれらが大変勉強になった。そのポイントを下記の通り記録しておく。

蛍光灯の視力を得ていた

時間の経過______一本の電話によって知った

君の膵臓を食べたい

得意げな表情が癇にさわった

一日の価値は全部一緒

何をしたかの差なんて、私の今日の価値は変わらない

日常では発音するはずのない音の並びがこぼれ落ちた

病気には罹ったけど、生活は全然脅かされてない

君が凄いから私は言いたいことを言ってるの

自殺するためのロープを探している

僕は草舟

反対側の彼女は何をしているのだろうか

どちらかの性別に客層が偏った飲食店があるとは思いもよらない

そして前半のハイライトはこれ

言葉は往々にして、発信した方ではなく、受信した方の感受性に意味の全てが委ねられている

極論、自分がどういう意味で受け取るのかを「選択」している。どう感じ、どう行動したいのか。その「文字列」を解釈しているにすぎない。SNS上の炎上もそう。共感もそう。勇気付けられるのもそう。落胆するのもそう。

そうすることを、全て受信者が「選択」している

君だけは真実を知りながら、私を日常をやってくれてる

…恋人を作る気があるって言ったら、どうにかしてくれるの

大病に罹る近日中の予定はない

僕らは潔白だった___うん、僕だけは潔白だった

中盤のハイライト

数本の注射器と見たこともない量の錠剤、使用方法の分からない検査機器

一気にガツンと後頭部を鈍器で殴られた。残酷な現実へ強制送還させられた。

革命につぐ革命で国民がいなくなるよ

世界に存在する音量の差し引きはゼロ

ゼロサムゲームを連想

君がしてきた選択と私が今までしてきた選択が、私たちを合わせたの
私たちは自分の意思で出会ったんだよ

以前より少しだけ死にそうに見えた

生きるってのはね___きっと誰かと心を通わせること、そのものを指して生きるって呼ぶんだよ

変えられたんだ。間違いなく変えられた

そうすることを選んだ。違う選択もできたはずなのに。僕は紛れもない、僕自身の意思で選びここにいるんだ

僕らは選べる

僕の心は、彼女で埋め尽くされた。僕は君に…。僕は本当は君になりたかった

後半のハイライト

小説は最後のページまで終わらないと信じていた

ほとんど多くの人が気づかない盲点。気づかないのか、気づかないフリをしているだけなのか。だから「今」が大事。本当に「今」しか出来ない。数時間後、それができる保証などない。全くない。それが現実。でも悲観する必要は全くない。今それに気づけた。今から変えればいいだけのこと。ただそれだけのこと。

誰かがいてくれる前提だった

誰かがいないと成立しないって

後半のハイライト②

僕らの方向性が違うと、彼女がよく言った。当たり前だった。僕らは同じ方向を見ていなかった。ずっとお互いを見ていたんだ。反対側から、対岸をずっと見ていたんだ。

うん。良い表現。そう感じたかった。そう感じたいと私は「選択」した。

他にも沢山の表現が詰まっています。「いま、ここ」を強く意識させられる作品です。冒頭に電車の中で私が感じたのは、多分その時に心が求めていたから、そう体が反応するように「選択」したんだと思う。読むことを。そう行動することを。

本書をおすすめ致します。

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