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人生の勝算 (NewsPicks Book)【ヒント発見士ぴーちくぱーちく】

あたりまえがあたりまえに


頑張りましょう。努力しましょう。結果も大切だが過程も大切。
子どもの頃はこんな風に教わった気がする。

でも今はどうだろう。
成果主義。結果が出なければ無駄。特に仕事では数字が全てで、過程がどうであろうが、どんな手を使おうが、それが全ての判断基準になる。

私もそう思う。会社は利益を出さなければ存続出来ない。でも、でもですよ。努力が全く報われない世界はちょっと悲しいし不合理な気がしてしまう。子どもを見ていると、失敗してもいいから、頑張ってほしい、努力してほしい、一所懸命の姿をみたい。そう思うのです。

もちろん、成功するには、質が大事。的外れな努力は徒労に終わるし、それはよく考えて軌道修正しないと無駄なことはわかっています。

でも最初から質が何か分からないことも多い。圧倒的な量が質へと転化もする。圧倒的な努力をすれば自信が湧く。何より、そのプロセスが見えると人は応援したくなる。ちょっとかっこ悪いかもしれないけど、でも愚直に行動している姿。不器用でも汗をかいているいる姿。その人の物語に感銘を受け共感する。

努力が報われる世界は素晴らしいと思う。でも多くの人が努力が報われないことを知っている。努力しても無駄でしょと諦めてしまう。それって勿体ないしつまらない。

著者の前田さんは、努力が報われる世界を創るために「SHOWROOM」を立ち上げ、頑張っている人を応援する仕組みを作った。そしてこのライブストリーミングという分野で世界と獲ると奮闘されている。

そんな前田さんの物語と「絆の大切さ」「努力の大切さ」「人生のコンパス」について書き記されているのが本書です。

そんな本書を私が勝手に感じたこと、勉強になった一文を引用しつつ紹介したいと思います。

感動を受けた人が、感動を与えてくれた人に対してお礼が出来る→感動の連鎖

これは前田さんが子どもの頃に、ストリートでギターの弾き語りをしていた時期に得た体験。それが元となって「SHOWROOM」というビジネスに転用されている。この方法論は前田さんの著書「メモの魔力」に書かれています。

めちゃくちゃ簡単に端折って説明すると、事実→抽象化→転用と順にメモをしながら思考すること。

今回でいうと、ギターを弾き語ってお金を貰う(事実)→感動を受けた人は感動を与えてくれた人に対してお礼という形でお金をだす(抽象化)→ライブストリーミングというサービスのプラットフォームを作り、感動を配信して、応援(お礼、ギフト)が出来るビジネスモデルに転用する。

こんな感じでしょうか。

ただこれを成功させる上ではいくつものポイントがあります。失敗から学ぶ考察と努力が必要です。どのように成功させていったか詳しくは本書を読んでみてください。

未知より既知

これもギターの弾き語りから得た教訓。人は知らないことには不安を覚える。だから知らないことには手を出さない。全く知らない商品には手を出しにくい。自分ごととして見ればすぐにわかる。だけれども相手がどう受け取るのかを中々考えないことが多い。

前田さんも弾き語りをしていた時は、オリジナル曲を歌っていた。でも名前も知らない赤の他人。皆さまはどれだけ立ち止まって、聞いたことがあるか。知らない人の知らない曲。中々立ち止まってまで聞こうとは思わないと思う。

そこでオリジナル曲から、歩いている人が知っている曲に変更した。そうすると少しずつ聞いてくれる人が増えた。

本屋を想像すると原理は同じだ。大抵の人は立ち読みをする→大体こんなことが書いてあるということを把握する→自分が得られる情報を知る→知っている事を買う。

まぁ私はこの部類には入らず、結構本はジャケ買いをしてしまう(笑)どんな商品やサービスもイノベーター理論が働く。イノベーターやアーリーアダプターは全体の16%程度と数が少ない。ここで受け入れられないと、普及しない。本当に良いものであれば、ここから徐々に普及はしていくが、そもそも多くの人には初期段階では目に触れられることもない。

弾き語りに適用させると、オリジナル曲だけで構成するのは大きなリスク伴う。知らないものには9割近くの人が無視するのだから。だからまず聞いてもらうには、立ち止まってもらうには、知っている曲の方がいい。関係が築けた後に徐々にオリジナル曲を織り交ぜる方が、受け入れられる可能性も高くなる。

表層的なコンテンツ起因「❌」 感情起因「○」

絆の深さ

「コミュニティ」と呼ばれる絆の集合体

多くの物が生産され、多くの物を消費する時代。どこに行っても似たような商品が似たような値段で販売されている。差別化も難しい。そうなると何を買っても変わらない。リピーターがつかない。CMを大々的に行えばある程度は売れるかもしれない。でも継続的に購入してくれる層がいなければジリ貧となる。

前田さんは、最も重要なことは「濃い常連客」を作ることと言っている。今「モノ」ではなく「ヒト」が消費理由になっている。何を買うかではなく、誰から買うか。そこには「絆」があり、対価が生じる。これを「スナック」から見出しているのが面白い。読むと確かにそうなのかと思ってしまう。

その人、そのコミュニティから発生するストーリー。ここに共感して消費する。その絆、コミュニティを作る、成功させる、影響を与える最大変数は、後天的な努力の絶対量である。ということは誰でもいつからでもできる。今からでも遅くなりということ。

そのコミュニティを作り成功させる秘訣として「余白の存在」が大切だ。この余白もスナックでの例えが分かりやすい。人は余白があると埋めたくなるという性質がある。もノート術でもよく紹介される。あえて余白をデザインしておく。

あとは、面白かった話としては、自転車のサドルが盗まれた時の話というのが載ってたいる。これも読んで欲しいけど、普通はマイナスに考えることをプラスに転換する力が本当にすごい。受け取りかたで物事が一変するという分かりやすい例。よくなる部分に目を向けると失敗が失敗ではなくなる。不合理が不合理でなくなる。

成功している人の多くはこういう考え方があるんだと思う。だから逆境に強い。それこそ逆境を逆境とも思っていないのかもしれない。全てチャンスと捉えているのだと思う。

私もこれを読んで、物事のプラスの面に目を向けるようになった。レベルが低いかもしれないけど、先日耳鼻科に行った。初診は予約を受付けていない。行ってみると120分以上待つという。普通はここでめげる。嫌な気持ちになる。でも私はそうはならなかった。

反対に、カフェで静かに本を読む時間ができたと喜んだ。実際はさらに1時間以上待ったので3時間以上も誰にも邪魔されず読書の時間ができた。すぐに診察に呼ばれて帰宅していたら、こうはならなかったかもしれない。診察後にカフェに行けばいいじゃんという声があるかもしれない。

私が行った時は席が空いていたが暫くして満席になった。診察して、調剤した後であれば席がなかったかもしれない。本当のところは分からない。そもそもプラスに考えようとしなければ、待合室でイライラしながら不毛な時間を消費していたかもしれない。

待つという時間は一緒なのに、思考の違いでその時間で経験できたことが全く異なる。

本書を読むと他にも気づかされる点、モチベーションが上がる点が山ほどあります。誰もがわかっている普通のことを普通にやり遂げる凄さとその効用も分かります。努力が裏切らないということが分かります。子どもの頃に教えられたことが間違ってなかったと再認識できます。

何より前向きになることができるので本書はおすすめです。

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