教養・哲学

人生100年時代を楽しく生きる

タイトル:LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
著者:リンダ グラットン/ンドリュー スコット
翻訳:池村 千秋
ターゲット層:主に10代〜40代。(帯には全世代必読書とありその通りだけれども、40代以下は特に)
読んだ後の効果:人生設計を考える良い機会になる。固定観念が薄まる。過度な不安が軽減される。勉強する意欲が湧く。

要約:今50歳未満の日本人はおおよそ100歳前後まで生きる事になる。そして日本は少子高齢化に突入しはじめ、様々なニュースでその問題が度々取り上げられている。高齢者が増え労働人口が少なくなり、日本の産業が危ないだとか、医療費が莫大になり今の社会保障のシステムは破綻寸前だとか、これからの世代は年金が貰えなくなるだとか、問題を上げればキリがない。

しかし、良い面に目を向けてみると、健康寿命が長くなり、唯一無二の「時間」ができる。この時間というのは、お金には変えることはできない非常に貴重なものである。
時間があれば出来ることが増え選択肢が広がり多様な生き方が出来る。

この寿命が伸びるということを厄災と捉えるか恩恵と捉えるのか。
過去のロールモデルが通用しなくなる現在とこれから。

今までは主に教育→勤労→引退の3ステージで2回の大きなターニングポイントがあった。しかしこれからはそうもいかない。今と同じように60歳、65歳で引退をすると考えると、残りの期間が40年近く出来る。年金だけでは生活するのにどうしても足りない。今までは数年分の貯蓄、退職金、マイホーム(ローンは完済済)、年金でやりくりできたかもしれないが、それを補うだけの貯蓄を増額するのも現実的ではない。

そこで、本書内では3人のそれぞれ別の世代をモデルとして、様々なパターンのライフスタイルやビジネススタイルを提示、検証しこれからの人生100年時代の戦略を教えてくれている。

感想:人の生き方は多種多様で、本書で提示されているモデルケースに当てはまらないこともあるとは思うが、現在の終身雇用を前提とした生き方や、夫婦のどちらか一方だけが働く、もしくは家庭に入るといった生き方以外に多くの選択肢があり、それらを考えていかなければならない事に気付かせてくれます。

特に考えなければいけないと感じたのは働き方。最近トヨタの社長も「なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と仰っている。日本を代表する世界的な企業がである。

当然、業種などによって一概には言えないが、一つの企業に入ったら生涯安泰というのは砂上の楼閣。そもそも企業の寿命が30年と言われてきているし、現在はもっと短いとも言われている(15年前後)

上場企業が倒産するのだって珍しくはない。そうなると働き方も変えていかなければいけない。テクノロジーも日進月歩で進化しているので、今のスキルだけではやっていけない時代が目に見えている。

だから、働きつつもスキルを身につけるために、自分に投資をし続けた方がいい。そうすれば選択肢が増えるし対応ができるようになる。また個人でのスキルがあれば企業に属するのではなく、個人事業主という選択肢も出てくる。

もしかすると、プロジェクト毎に人が集まって、終われば解散。それを繰り返していくという働き方もあるかもしれない。そうやって実績を積んで信用をえて人的ネットワークも広がれば、またそこからビジネスチャンスも出てくるかもしれない。

健康で生きられる人生が長くなれば、様々なスキルを身につける時間が出てくるので、可能性は広がる。一つの事に習熟するのに1万時間かかると言われているが、一日3時間かければ9年程度でマスター出来る。今からでもやろうとさえ思えばいくらでも出来る。

勿論その為にはより一層の努力が必要だし、何もしなければ本当に厄災でしかないかもしれない。だけれども、悲観はしなくていいと思う。テクノロジーが進化しある程度の仕事はAIに代替されるかもしれないが、その分人間にしかできない仕事により集中出来るようになる。

もしくは趣味を仕事にしてもいいかもしれない。昔は考えられなかったことが今は仕事になる時代。面白おかしくくだらない事をやっても、視聴者がいればYouTubeで稼ぐ事も出来る。

何れにせよ、時間が出来るので選択肢が増える。あとはどうするか、どうしたいか今から考えればいいと思う。そして考えたらちょっとでも行動してみること。

本を読んで知見を増やすのもいいし、旅に出て経験値を増やしてもいい。企業してもいいかもしれないし、個人でブログやホームページの作成代行とかで稼いでもいい。ボランティアを通じて人とのネットワークを広げてもいい。もちろん、今の仕事を更に頑張ってスキルを高めて絶対的なポジションを確立してもいいと思う。

現状と今後どうなるかを考えてこれから行動するのと、何も考えず流されて行くのは全く違う。

もっと楽しく生きていく為に、を考えさせてくれる本でした。

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