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病院や薬剤師、薬との付き合い方までわかる新しい推理小説-薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

薬

病院・薬剤師・薬との付き合い方まで学べる推理ならぬ薬理小説!?

タイトルの「薬も過ぎれば毒となる」。そして薬剤師・毒島(ぶすじま)花織の名推理。こんな表紙に惹かれて躊躇せず速攻購入。略して即購です。頭で考えたのか、反射的に電気信号が筋肉、神経に直接作用して購入したのかはわかりません。

多分、毒(どく)やら毒(ぶす)やら、インパクトが強かったので考えるよりも先に買わされていたというのが本当の所だと思います。

そして今読み終えたのですが、これは面白い小説だと思います。直接的にあまりおすすめはしないのですが、本書はおすすめ出来ます。

当たり障りない程度でどんな小説なのかを軽く紹介すると、毒島さんという女性の、それはそれは薬に対して真面目すぎるくらい真面目で正義感が強く、薬剤を処方するだけでなく、患者と薬に関係するあらゆることを守備範囲とし、正しい知識を伝えることに対して強すぎる使命感をもつ薬剤師と、その毒島さんに惹かれに魅かれた水虫ならぬホテルマンの水尾さんとが、薬を中心に起きる多種多様な事件を解決し、その過程で薬の知識や薬剤師の仕事や薬剤師がどのように患者と向き合っているのか、病院と薬局の関係や薬の用法用量、守らなかった場合のリスクなど、推理小説としてのエンタテインメントだけでなく、知恵と知識も身につき、少し病気や病状、薬との向き合い方や医師や薬剤師、薬局の見方、付き合い方まで考えさせられる内容です。

いかがでしょうか?

上記はブログのセオリーをいっさいがっさい無視して途中に句点を一切入れずに一息ならぬ一気にタイプしてみました。むちゃくちゃ読みにくいですね。どれが主語で述語で述語に対してどれが修飾語に値するのか分かりづらいでしょう?

これで本書のあらすじだけでなく、句読点の大切さや段落を区切る大切さ。読みにくい文章とは何かまで学ぶことが出来ましたね。なんて一石三鳥以上のヒントや発見が得られるブログなんでしょうねココは(笑)

ってこれに嫌気がさして辟易して本書を読む前に嫌いになられたら本末も文末も転倒ですね。本書の事は嫌いになっても私の事は嫌いにならないで下さい。

っと冗談はさておき据え置き、面白いと思います。そしてこの内容をさらっと読ませる作品の構成や著者である塔山さんの筆致力は凄いなぁって、頭を一度後ろにそらしアゴをひく動作を二回ほど連続でしました。

そうです。うなずいたのです。

医療関係の内容になるとどうしても専門的な知識も必要だし、専門分野の話しを書こうとすれば、それだけでどうしても難しくなってしまいます。だって聞きなれない言葉のオンパレードになってしまいますから。

ただその専門的な話題を全く感じさせずにさらっと読まされてしまうのが本書の一番のポイントだと思います。もちろん毒島さんが専門的な知識を披露する場面ではいささか披露しそうになるのですが、キャラクターを登場人物同士の会話の流れが自然で、毒島さんのマニアックというか一見オタク的なキャラクターを想像するからなのか、全く困惑する事なく自然と物語に引き込まれながら読んでしまうのです。

これ本当に凄いなと思いました。ドラマでもそうですが、病気の正式名称って聞きなれなくて難しいし、それを治すための薬も別名があったりとややこしい。

そこに効能や副作用といった情報や同じ薬でも別の薬と合わせて全く別の治療法に使う事もあるとか、結構入り組んだ話しなのにスッとソッと入ってくるのです。

他には処方箋には病名が書いていなくて、薬剤師は何の病名か知らないまま処方箋に書かれている薬を調合し患者へ処方することなど、知らないことが非常に多くあり知的好奇心もくすぐられます。知るって楽しいを味わうことが出来ます。

まだまだ沢山あります。薬剤師の仕事内容や処方箋を書いた医師への疑義照会。自由診療のことや法律関係のことまでも。

もっともっと知りたいし、もっともっと読みたいと思えた作品でした。シリーズ化も出来そうなのでシリーズ化がされたら間違いなく読むかなぁー。

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