教養・哲学

本物の教養を地理的思考から身につける-現役東大生の世界一おもしろい教養講座 -正しく未来を見通すための「地理的思考」入門

教養とは活用できる知識のことである

知識を活用する

「教養」と聞くとどんな事を思い浮かべますか。勉強ができる人、雑学に長けている人、膨大な知識を有している人など。私たちの大好きなウィキペディアによるとこう定義されています。

教養(きょうよう)とは個人の人格や学習に結びついた知識や行いのこと。これに関連した学問芸術、および精神修養などの教育文化的諸活動を含める場合もある。

私はあまり好きではありませんがウィキペディアより引用

本書の冒頭で著者は「9割の人が教養の本当の意味を勘違いしている」と言っています。そして著者は現役東大生の西岡 壱誠さんですが、その東大の教授が考えている教養の概念とは「活用できる知識」のことであり、教養がある人というのは、活用できる知識を持っている人の事を指す、と言っています。

これが日本で一番難しいと言われている大学が考えている教養です。要するに知識の総量ではなく、知識をどう結びつけて使いこなすのか、活用、応用する力を「教養」と言います。

何かを身につけるときはそのものの定義、ここでは教養を身につけるためだから、「教養」の定義を理解する所から始める必要があります。

ただ闇雲に知識だけを増やすのでは全く意味がありません。特に現代ではそれは顕著です。知識だけに限って言えばインターネットで検索すれば大抵瞬時に答えを知ることができます。SNSでタグれば知りたいことがスマホに表示されます。

これから5Gが普及したりAIなど技術の進歩は想像よりも速いスピードで進化していきます。知識を覚えるだけであれば既にコンピューターに足元にも及びませんが、ワトソンなどの人工知能の精度が上がれば、人間よりも正確に迅速に対応ができるようにもなっていきます。

だからこれからの私たちはスマートフォンやAI、人工知能、ロボットでは出来ないこと、代替不可能なこと、まだまだ人間だけに許された「知識を活用すること」即ち「教養」を身につけて様々な問題を解決していく能力を習得する必要があります。

地理から教養力を身につけよ

グローバルな世界地図(日本を中心としない)

著者の西岡 壱誠さんは「地理的思考」がこれからのAI時代には欠かせない能力だと言っています。地理と聞くと世界地図とか日本地図を思い浮かべます。国の場所とか、どこぞの地方がどうだとか。

そんな狭義な知識の事を指すのではなく、地理っていうのはその名の通り「地球上の理(ことわり)」を意味する、と。地球でどんなことが起きているのか、それによってどんな影響があり今の事象が起こっているのか。より大きな視点、高い視点から世界を見渡し考察することが「地理」という学問であり本質だと述べています。

だから地理を学ぶことで知識が身に付くだけでなく活用するいわば教養力を身につけることができると。本物の教養人になれるということです。

そして本書「現役東大生の世界一おもしろい教養講座正しく未来を見通すための「地理的思考」入門」は日本の身近な出来事から世界の大戦争に到るまでを、えっ?こんなことが原因でこんなことが起きたの?とびっくりするような考察を展開しています。

実際にここに書かれていることが本当かはわかりません。勿論原因の一端を担っているかもしれませんし、そうではないかもしれません。

しかし、知識を活用し結論に到るまでのロジックがとんでもなく素晴らしいし面白い。話しの道筋をしっかりと辿ることで説得力が増して、合理的な答えを導き出すプロセス出せる事を証明しています。

世界一おもしろい教養講座というタイトルが冠せられていますが、あながち誇張すぎる表現ではありません。もし子どもの頃にこんな社会や地理の授業があれば、もっと早く勉強の楽しさに目覚めて、もう少し教養力のある人間になれたのではないかと本気で思います。

20の事象を地理的思考から根本原因をあぶり出す

あとはもう読んで頂かないことには、どれくらい興味深くておもしろい内容なのかは説明が出来ません。何故ならば説明してしまうとネタバレになってしまうからです。

本書では20もの話題を取り上げて、その根本の原因を地理的思考から導き出していきます。そのどれもが「マジかよ」と思うものばかりですが、どれもロジックがあり納得せざるを得ないものとなっています。

もちろん、世界の歴史やSNSが生まれた理由など、たった一つのことが原因である筈もなく、沢山の要因が複雑に絡み合って形成されています。

でもグッと本質に近づいて行くと根本原因が浮き彫りになっていきます。それが意外なんだけれども論理的に筋が通っているから「ぬおー」ってなるんですよ。

ここでその答えを出すことは出来ないのですが、目次にも載っているのでその20を紹介だけして終わりにしたいと思います。

1.日本が誇る世界的なマンガ文化は日本が山がちだから

2.東京に待機児童が増えたのはショッピングモールが原因

3.新聞(ジャーナリズム)が生まれたのはコーヒーが美味しいから

4.SNSは農業が発達したから生まれた

5.ソーセージが美味しいのはドイツが寒いから

6.キムチが辛くなったのはザビエルが日本にキリスト教を布教させたから

7.アジア諸国が経済発展しているのはコメが主食だから

8.イギリスが世界の覇権を握ったのはカトリックが離婚を禁止したから

9.メキシコ湾の油田事故は中国のせい

10.株式市場が生まれたのはオランダの土地が低いから

11.インドでIT産業が発達しているのは降水量が多いから

12.ソ連崩壊はアラブの石油王のせい

13.ロシアと中国がタッグを組むのもアラブの石油王のせい

14.二度にわたる世界大戦はフランスに石炭があったせい

15.トランプ大統領が選挙に勝ったのはトヨタ自動車のせい

16.岡本太郎の「太陽の塔」が生まれたのはフランスがワインの名産地だから

17.明治維新が成功したのは中国が広いから

18.イギリスの産業革命が成功したのは砂糖のせい

19.英語が生まれたのはユーラシア大陸の砂漠のせい

20.民主主義が生まれたのはユーラシア大陸の砂漠のせい

本書より引用および加筆のせい

上記20の項目をみて俄(にわか)かには信じがたいものばかりではないでしょうか。この中のどれか一つでも気になった項目があれば読んでみて下さい。地理やそれこそ教養に興味がなくても楽しめると思います。

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