小説・文芸

ムゲンのi-ミステリー&ファンタジー大作

不可思議な感動医療ミステリー

これは予想外でした。知念さんの著書は「天久鷹央シリーズ」しか読んだことがなかったので、それに似通った内容なのかと勝手に決めつけていました。

そして完全に裏切られると同時に全く違った読書体験をさせて頂きました。

いつもの如くネタバレはしませんが、簡単に適当にかい摘んで内容をお伝えすると、ある女性の医師が世にも不思議な「イレス」という病気の患者を同時に3人も受け持つことになります。

この「イレス」という病気は、突然眠りに落ちていつ目を覚ますかも全くわからない原因不明の病気です。何がきっかけで発症するのかはもちろん、どうやれば目を覚ますのかも全くわからない。そのまま目を覚まさず一生を終えてしまう人もいる。

その患者を治療していくという話。治療を行う上でそれぞれの患者は特殊な体験をしていて、ある種のトラウマを持っていることがわかる。それと同時に医師であり主人公でもある識名(しきな)もまた強烈なトラウマを抱えている。

現実と夢幻(ムゲン)という現実離れした世界を行き来するファンタジー的要素と、恐ろしい事件に潜む謎に挑むミステリーの要素、そして過去のトラウマという非常に繊細な感情を扱う人の感情の機微を描く要素、そして医療。

上下巻合わせて700ページにも及ぶ超大作ではありますが、読んでしまうと途中での辞めどきを見失います。キリの良いところで終わらすのは困難で読みたいという誘惑に打ち勝つのは至難の業です。

うん。面白い。

子供が好きなことに夢中になって「もうすぐ終わるから」と言いながら一向に終わることができない。その気持ちが大人になった今思い出されます。

私はファンタジー系の本はほとんど読んだことがありませんし、自分から読もうとは思いませんが、この「ムゲンのi」のストーリーと合わせると、ごくごく自然に読めてしまいました。

現実にはありえない世界。でも見事に核となる物語と調和が取れてどんどん引き込まれてしまいます。

いやぁ、面白い。

ドキドキもするしハラハラもするし、苦しくもあり感動もさせられます。

これは、読んだ方が絶対にいい。

これを機に知念さんの著書を手当たり次第読もうと思いました。

みなさまも是非読んでみて下さい。

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著者:知念 実希人

タイトル:ムゲンのi(上)

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