小説・文芸

グラスホッパー-殺し屋達を取り囲む奇妙な物語-

殺し屋達の奇妙な物語

様々な殺し屋が登場する本作「グラスホッパー」。こう聞くと、鬼気迫る攻防戦の連続、敵を欺く玄人の技の数々、冷徹な描写など、色々な想像を読む前にしてしまうが、それらのどれも当てはまらない。

殺し屋は完全悪で同情も共感も通常はすることなど許されないはずだが、本作に登場する殺し屋達は個性が非常に際立っていてどれも興味深い。

ある「令嬢」と呼ばれる非合法な組織がある。主人公である一般人の「鈴木」は過去にその「令嬢」のある人物に妻を殺される。復讐のために組織に入り機を伺っている時に復讐の対象者である社長の息子が車に撥ねられ死んでしまう。それは交通事故のようにも見えたが誰かに押されて轢かれたようにも見える。

その人物は「押し屋」かもしれない。「押し屋」とは依頼を受けて文字通り押して対象者を殺害する殺し屋と読まれているが、本当に存在するのかはわからない。鈴木は「押し屋」が本物かどうか見極めるために尾行をする。

一方、その事故の場面を偶然目撃いていた殺し屋がいる。その殺し屋の通称は「自殺屋」

自分で直接ては下さないが対象として狙われた人物は「自殺屋」と相対すると自ら命を立ってしまう。

そしてもう一人主として関わるナイフ使いの殺し屋がいる。

鈴木、自殺屋、ナイフ使い、そして押し屋。

この4者が奇妙に関わり物語が進行していくが、まぁ面白い。

手に汗握る、というような場面がある訳ではないのだが、軽妙な会話や一見意味不明の言葉のやりとり。ちょっと変わった特殊能力を持った殺し屋や謎の組織が登場するなど、若干浮世離れする場面もあるが、違和感なく溶け込み見事に調和されて、スピード感を持ってどんどん進行していく。

やっぱり面白い。

実は久しぶりに「グラスホッパー」wp読み直したのですが、私はあまり何度も同じ小説は読みません。内容はすぐに忘れるので、何度でも何度でも楽しめる能力は持っているのですが、タイトルくらいは通常覚えているので、過去に読んだことがある作品を読むくらいなら、数多ある世にあるまだ読んでいない作品を読みたいと思っています。

だからもう一度読もうとはならないのですが、この「グラスホッパー」はタイトル以外に「面白かった」というのもしっかりと覚えていて、ふとまた読みたいなと思った作品です。

確か当時は面白くて、普通に本でも読んだし、オーディオブックで2倍速で何度も通勤時に聞いたりした数少ない作品です。

確か映画にもなっていてテレビでも見た気がしますが、その時はあまり印象に残らなかったような。

面白かったのかもしれませんがやっぱり活字で読んだ方が色々味わえたと思うのでもし書籍として読んだことがないのであればお試しあれ。


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